ESG投資
ESGとは
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったものです。
企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要であるという考えが、世界的に広がっています。
企業の価値を計る尺度として、従来の業績や財務情報だけは不十分で、ESGといった非財務情報も企業評価に取り入れようとする動きです。
機関投資家が投資の意思決定をする際に、ESGも考慮にいれる動きが急速に広まっています。
社会や環境を意識した投資は、財務リターンが高く投資リスクが小さいという実証研究も研究者等から発表されています。
企業経営においても、「サステナビリティ」という概念が普及し、社会や環境を意識した経営戦略は企業利益や企業価値向上につながる、との認識がされるようになりました。
ESG投資は、国連責任投資原則により大きな流れとなりました。1,500以上の年金基金などのアセットオーナーや運用会社がESG投資を推進していくことを表明しています。
日本でも、GPIFがこの投資原則に参加することの署名をしています。
日本でも、「スチュワードシップ・コード」、「コーポレートガバナンス・コード」を定め、ESG投資の概念を推進しています。
企業とESG・SDGs
なぜ、ESGやSDGsに企業が取り組む必要があるのでしょうか。
機関投資家がESG投資を行う場合の、企業価値を評価する際の共通言語がSDGsであるといわれているからです。
財務情報に加えてESG、SDGsに関する情報開示によって投資家等は、投資判断を行うことになる、という大きな流れが出来つつあります。
ESG投資
世界のESG投資の統計を発表しているGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)は、ESG投資を7つの種類に分類しています。
- ネガティブ・スクリーニング:
特定の業界の株式や債券を投資対象から除外する投資手法。武器、たばこ、ギャンブルアルコール製品など。
- 国際規範スクリーニング:
業界横断で環境破壊や人権侵害などの国際的な規範を基に、最低限の基準を満たしていない株式等を投資対象から除外する手法。ILO、OECDなどが定める規範。
- ポジティブ・スクリーニング/ベスト・イン・クラス:
ESGに優れた銘柄のみに投資する手法。人権、環境、ダイバーシティなどの基準。
- サステナビリティ・テーマ投資:
社会や環境に関する特定のテーマに関連する企業の株式等に投資を行う手法。エコ、再生エネルギーなど。
- インパクト・コミュニティ投資:
社会的インパクトや環境インパクトを重視した投資手法。非上場企業や特定プロジェクトなどに投資を行うことが主流。
- ESGインテグレーション:
投資判断の中に、財務情報だけでなく、非財務情報(ESG情報)をともに織り込んで判断する手法。
- エンゲージメント/議決権行使:
エンゲージメントとは、投資先企業や投資を検討している企業に対して、株主・投資家の立場から企業に対して特定のアクションやポリシーを採るように働きかける手法。
議決権行使とは、株主総会の場で、議決権を行使して企業の意思決定に対して力を行使する手法。