「DX推進指標」とそのガイダンス | 社外財務部長 原 一浩
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「DX推進指標」の狙いと使い方、構成、指標の考え方、回答の評価

「DX推進指標」の狙いと使い方、構成、指標の考え方、回答の評価

経済産業省は、2019年7月に、『「DX推進指標」とそのガイダンス』を公表しました。

 

「DXレポート」、「DX推進ガイドライン」を踏まえ、「DX推進のための経営のあり方、仕組み」と「DXを実現するうえで基盤となるITシステムの構築」について、、経営者や社内の関係者が、DXの推進に向けたアクションを取っていくための気づきの機会を提供するものとして、「DX推進指標」が策定されました。

 

1.「DX推進指標」の狙いと使い方

 

(1)「DX推進指標」策定の背景と狙い

 

① 多くの企業の課題

・どんな価値を創出するのかでなく、ITを使って何かできないかの発想

・危機感が共有されていない

・経営としての仕組みの構築が伴っていない

 

② 策定の狙い

・DXをめぐる課題を指標項目

・とるべきアクションの後押し

・気づきの機会を提供するツール

 

(2)「DX推進指標」の使い方

① 自己診断を基本

② 経営層以下関係者がDXを推進するにあたっての課題に対する気付きの機会

③ 以下の使い方を想定

 

ア) 認識共有・啓発

イ) アクションにつなげる

ウ) 進捗管理

 

(3)「DX推進指標」策定にあたっての視点

 

本指標の策定にあたっては、以下のような視点に留意しています。

 

① 良い点数を取ることが目的ではない

② ビジネス・モデルそのものを評価するのではなく、企業の変化への対応力を可視化するもの

③ 本指標は、経営指標を達成するための手段

④ 経営者がITシステムをめぐる問題を、DXには欠かせない課題として理解し、アクションにつなげる

⑤ デジタル競争に舵を切り、競争領域に資金・人材をシフトし競争上の優位を確保

⑥ 自己診断結果は、中立的な組織が収集し、ベンチマーキングを行い、その情報を提供する

⑦ 取引先等の関連企業とのコミュニケーション、課題解決支援ツールとしての活用

 

3.「DX推進指標」の概要

 

(1)「DX推進指標」の構成

 

DXの推進に際し、現在の日本企業が直面している課題やそれを解決するために押さえるべき事項を中心として、以下のように構成されています。

 

① DX推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標

② DXを実現するうえで基盤となるITシステムの構築に関する指標

 

(2)定性指標における成熟度の考え方

 

定性指標については、成熟度をレベル0からレベル5までの6段階で評価します。

「レベル0」は未着手、「レベル5」は、「グローバル市場におけるデジタル企業」となっています。

 

(3)定量指標の考え方

 

① 自社がDXによって伸ばそうとしている定量指標を自ら選択して算出します。

② 達成を目指す指標に関する数値目標を立て、進捗管理を行っていくといった活用方法を想定しています。

③ ITシステム構築の取組状況は、企業単位での評価を想定しています。

 

(4)評価の仕方

 

① 成熟度の回答にあたっては、なぜその成熟度と判断したかの根拠とそのエビデンスを合わせて回答することが望ましいとしています。

② 基本的には、企業単位の回答を想定していますが、多岐にわたる事業を展開している企業においては、事業部門ごとに回答することを可能にしています。

 

(5)回答方法

 

DX関連政策サイト上に掲載されている回答フォーマットを活用して評価し、サイト上に記載された宛先に提出することをお願いしています。

 

自己診断の結果については、ベンチマーキングや先行事例の提供に活かしていくこととしています。

なお、個々の企業の診断結果を外部に公表することは想定していません。

 

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