修正国際基準(JMIS)とはどのようなものでしょうか。 | 社外財務部長 原 一浩
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修正国際基準(JMIS)とはどのようなものでしょうか。

修正国際基準(JMIS)とはどのようなものでしょうか。

企業会計基準委員会は、修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって 構成される会計基準) の適用に関する文書を2015年6月30日に公表しています。2018年12月27日版が、最終改正となっています。

 

1.目 的

本文書の目的は、修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準 によって構成される会計基準)(以下「修正国際基準」という。)に準拠した連結財務諸表を作成する場合において、準拠すべき規定を示すことであるとしています。

 

 2.構 成

修正国際基準は、以下から構成されます。

 

(1)本文書

 

(2)当委員会が採択した国際会計基準審議会(IASB)により公表された会計基準及び解釈 指針(以下、会計基準及び解釈指針を合わせて「会計基準等」という。)

 

(3)「企業会計基準委員会による修正会計基準」

 

3.適 用

 

修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成する場合には、別紙 1 に記載されている企業会計基準委員会が採択した IASB により公表された会計基準等の規定に、別紙 2 に記載されている企業会計基準委員会による修正会計基準における「削除又は修正」を加えた規定に準拠しなければならないとしています。

 

企業会計基準委員会が採択したIASB により公表された会計基準等において「 International Financial Reporting Standards (IFRSs)」という用語が会計基準等の体系を指すものとして使用されている場合、「Japan’s Modified International Standards (JMIS): Accounting Standards Comprising IFRSs and the ASBJ Modifications」(「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」)と読み替えるものとしています。

 

企業会計基準委員会による修正会計基準は、以下の2つです。

 

(1)企業会計基準委員会による修正会計基準第 1 号「のれんの会計処理」 (2018 年 4 月 11 日改正)

 

(2)企業会計基準委員会による修正会計基準第 2 号「その他の包括利益の会計処理」(2018 年 4 月 11 日最終改正)

 

これにより、「削除又は修正」の対象となる会計基準等は、以下の6基準となっています。

①IFRS 第 3 号「企業結合」

②IAS 第 28 号「関連会社及び共同支配企業に対する 投資」

③ IFRS 第 7 号「金融商品:開示」

④ IFRS 第 9 号「金融商品」(2014 年)

⑤IAS 第 1 号「財務諸表の表示」

⑥ IAS 第 19 号「従業員給付」

 

4.エンドースメント手続きの概要

企業会計基準委員会は、企業会計審議会が公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」(2013 年 6 月)の記載に基づいて、2013 年 7 月に「IFRS のエンドースメントに関する作業部会」を設置し、IASB により公表された会計基準等に関するエンドースメント手続を実施し、修正国際基準を公表しています。

 

(1)エンドースメント手続とは

エンドースメント手続は IASB により公表された会計基準等について、我が国で受入れ可能か否かを判断したうえで、必要に応じて、一部の会計基準等について「削除又は修正」し、金融庁において指定する仕組みです。

 

(2)エンドースメント手続きの実施の際の勘案事項

エンドースメント手続を実施するにあたり、 これまでのエンドースメント手続と同様に、修正国際基準が任意適用であることを前提としたうえで、IASB により公表された会計基準等をエンドースメントする際の判断基準として、公益及び投資者保護の観点から、次の点を勘案することとしています。

 

  • 会計基準に係る基本的な考え方

 

  • 実務上の困難さ(作成コストが便益に見合わない等)

 

  • 周辺制度との関連(各種業規制などに関連して適用が困難又は多大なコストを 要することがないか。)

 

(3)考慮事項

これまでのエンドースメント手続と同様に、IASB により公表された会計基準等のエンドースメント手続を実施するうえでは、「削除又は修正」を必要最小限とすること、すなわち、可能な限り受け入れることとしたうえで、十分な検討を尽くし、我が国における会計基準に係る基本的な考え方、実務上の困難さ及び周辺制度との関連の観点からなお受け入れ難いとの結論に達したもののみを「削除又は修正」することとしています。

 

(4)意見発信機能

当該エンドースメント手続により開発される修正国際基準は、実務的に適用可能な1組の会計基準として IFRS に対する我が国の考えを発信する役割も担っていて、これまで「削除又は修正」を行った項目については、企業会計基準委員会より積極的に意見発信を行っているところです。

 

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