グリーンボンドの基礎知識~定義、意義、仕組 | 社外財務部長 原 一浩
グリーンボンドの基礎知識~定義、意義、仕組 | 社外財務部長 原 一浩

社外財務部長 原一浩の公式サイト

グリーンボンドの基礎知識~定義、意義、仕組

グリーンボンドの基礎知識~定義、意義、仕組

2019年7月12日に、日本公認会計士協会から、「グリーンボンドの基礎知識-公認会計士の関わり方-」が公表されました。その内容を見てみましょう。

 

1.グリーンボンドとは

 

グリーンボンドとは、「資本市場から地球温暖化対策や環境プロジェクト等の資金を調達するために発行される、調達資金の使途が環境改善に限定されている債券」を言います。

 

2.グリーンボンド規格のガイドライン

 

(1)国際的なガイドラインである「グリーンボンド原則」(GBP)は、2014年に投資銀行から成るコンソーシアムによって策定され、国際資本市場協会(ICMA)が事務局として管理しています。

 

①GBPは、業界初の自主ガイドラインで、以下の要素を満たす必要があるとしています。

 

・調達資金の使途

・プロジェクトの評価と選定のプロセス

・調達資金の管理

・レポーティング

 

適格なプロジェクトの事業区分として10区分が例示されています。

・再生可能エネルギー

・エネルギー効率

・汚染防止及び抑制

・生物自然資源および土地利用に係る環境持続型管理

・陸上及び水生生物の多様性の保全

・クリーン運送

・持続可能な水資源および廃水管理

・気候変動への対応

・高環境効率商品、環境適応商品、環境に配慮した生産技術及びプロセス

・地域、国または国際的に認知された標準や認証を受けたグリーンビルディング

 

②外部機関によるレビューガイドラインは、レビューを実施する外部機関の職業的倫理基準や、組織、作成するレポートの構成、内容および開示に関する自主的な指針を提供するものです。

 

(2)環境省は、2017年3月に、「グリーンボンドガイドライン」を策定しています。

 

本ガイドラインは、基本的事項(「べきである」と表記される項目)と推奨事項(「望ましい」と表記される項目)と例示解釈を示す項目に大別されます。

基本的事項以外は、任意とされています。

 

①グリーンボンドガイドラインの内容

 

以下の5項目があり、基本的事項は、GBPの記載内容と整合するように策定されています。

GBPでは、ⅰからⅳの基本事項をすべて満たす必要がありますが、本ガイドラインでは、必ずしもそれらを満たすことは要請していません。

 

ⅰ:調達資金の使途

ⅱ:プロジェクトの評価及び選定のプロセス

ⅲ:調達資金の管理

ⅳ:レポーティング

ⅴ:外部機関のレビュー

 

②環境省では、グリーンボンドの発行促進のために、グリーンボンド発行促進体制度整備支援事業を通じて、補助金の交付を行っています。補助金の支給には、対象グリーンボンドの要件と準拠要件があります。

 

3.グリーンボンド発行の意義(メリット)

 

(1)発行体にとっての意義

 

発行体にとってのグリーンボンド発行のメリットは、投資家層の多様化、投資家層との関係強化、発行体の行っている環境関連活動に関する認知度向上などが挙げられます。

 

(2)投資家のとっての意義

 

投資家にとってのグリーンボンドへの投資のメリットは、ESG投資の観点からの社会的支持、中長期的に安定したリターンを実現できる可能性などが挙げられます。

 

(3)社会的意義

 

パリ協定で合意した水準に達する低炭素社会のインフラ投資には、多額の資金が必要とされ公的資金のみでは資金需要を賄えないため、グリーンボンドはそのための重要な役割を果たすと期待されています。

 

 

4.グリーンボンドのしくみ

 

(1)GBPでは、下記の4項目をすべて満たしていないものは、グリーンボンドとはみなしていません。

 

①調達資金の使途

グリーンボンドにおいて重要な点は、調達した資金がグリーンプロジェクトに活用されているかであり、調達した資金により明確な環境改善効果が得られることを発行体は示す必要があります。

 

②プロジェクトの評価と選定のプロセス

発行体は、投資家に以下の3点を明示する必要があります。

・環境面の持続可能性に係る目標

・発行体が、調達資金の使途で示したグリーンプロジェクトに該当すると判断するプロセス

・関連する適切性についての規準

 

また、プロジェクトの選定にあたり参照する環境的基準または認証についても情報開示することが推奨されています。

 

③調達資金の管理

 

グリーンボンドで調達した資金を調達資金以外の資金と区別して管理することが要請されています。

 

④レポーティング

 

発行体は、資金使途に関する最新の情報を容易に入手可能な形で開示し、年1度の更新、また、重要な事象は生じた場合には、随時開示が求められます。

 

GBPは、定性的なパフォーマンス指標及び可能な場合には定量的なパフォーマンス指標を開示し、前提となる主要な方法論や仮定の開示と併せて使用することを奨励しています。

 

 

(2)GBPにおける外部機関によるレビュー

 

①グリーンボンドがGBPの主要な要素に準拠していることを確認するために、発行体は独立した外部機関によるレビューを活用することが推奨されています。

外部機関によるレビューの類型として、GBPは4類型を例示しています。

 

・セカンド・パーティ・オピニオン

GBPとの適合性の査定を行います。

 

・検証

ビジネスプロセス及び(または)環境基準に関連する一定のクライテリアに照らした独立した検証を取得することができます。

 

・認証

フレームワークまたは調達資金の使途について、一般に認知された外部のグリーン規準または分類表示への適合性に係る認証を受けることができます。

 

・グリーンボンドスコアリング/格付け

フレームワークまたは資金使途のような鍵となる要素について、専門的な調査機関や格付け機関等の資格を有する第三者機関のスコアリング/格付け手法をもとに評価または査定を受けることができます。

 

②外部機関のレビューを受けた場合には、その結果または少なくともその要約を公表することをGBPでは推奨しています。

 

 

関連記事

無料相談

おススメの記事