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会社の解散・清算について~法務・税務・会計の視点から

会社の解散・清算について~法務・税務・会計の視点から

会社の解散・清算を行うためには、会社法・税務・会計の知識が必要となります。

Ⅰ 会社法の取扱

 

1.清算の開始及び流れ

 

会社法では会社の解散事由を定めています。もっとも一般的な事由は、株主総会の決議によるものでしょう。

会社が解散した場合には、清算しなければなりません。

解散決議をすると会社は清算会社となり、清算会社は、清算の目的の範囲内で、清算が結了するまでは、存続するものとみなされます。

 

解散及び清算手続きの流れは、以下のようになります。

 

(1)通常の事業年度

(2)解散の株主総会決議及び清算人の選出

(3)解散・清算人登記(登記所):解散の日から2週間以内

(4)解散の届け出(税務署)

(5)解散日の財産目録・貸借対照表の作成・承認:清算人就任後、遅滞なく

(6)債権者に対する公告等:解散日後遅滞なく、2か月間の債権申し出期間

(7)解散年度の確定申告(税務署):2か月以内

(8)会社の財産・債務の整理

(9)(清算事業年度の確定申告)

(10)残余財産の確定

(11)最終事業年度の確定申告(税務署):1か月以内

(12)残余財産の分配

(13)決算報告書の作成と株主総会の承認

(14)清算結了登記(登記所):株主総会後2週間以内

(15)清算結了の届け出(税務署)

 

 

2.清算株式会社の機関

 

清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければなりません。

清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができます。

 

3.清算人の就任及び解任並びに監査役の退任

 

(1)清算人の就任

清算株式会社の清算人は、定款で定める者、株主総会の決議によって選任された者が就任します。このようなものがいない場合には、取締役が清算人となります。

 

(2)清算人の解任

清算人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができます。

重要な事由があるときは、裁判所は、総株主の議決権または発行済株式の百分の三以上の議決権を六箇月前から引き続き有する株主(一定の株主を除く)の申立てにより、清算人を解任することができます。

 

(3)監査役の退任

清算株式会社の監査役は、当該清算株式会社が次に掲げる定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任します。

 

監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更

監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更

 

 

4.清算人の職務等

 

(1)清算人は、次に掲げる職務を行います。

現務の結了

債権の取立て及び債務の弁済

残余財産の分配

 

 

(2)業務の執行

清算人は、清算株式会社の業務を執行し、清算株式会社を代表します。

 

(3)財産目録等の作成等

清算人は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、解散日における財産目録及び貸借対照表(以下、「財産目録等」という。)を作成しなければなりません。

清算人は、財産目録等を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければなりません。

清算株式会社は、財産目録等を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければなりません。

 

(4)貸借対照表等の作成及び保存

清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(解散日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければなりません。

清算株式会社は、貸借対照表を作成した時からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならなりません。

 

 監査役設置会社においては、貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければなりません。

 

(5)貸借対照表等の備置き及び閲覧等

清算株式会社は、各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を、定時株主総会の日の一週間前の日からその本店の所在地における清算結了の登記の時までの間、その本店に備え置かなければなりません。

 

(6)貸借対照表等の定時株主総会への提出等

清算株式会社においては、清算人は、貸借対照表及び事務報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければなりません。監査役設置会社の場合には、監査を受ける必要があります。

提出され、又は提供された貸借対照表は、定時株主総会の承認を受けなければなりません。

清算人は、提出され、又は提供された事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければなりません。

 

5.残余財産の分配

 

清算株式会社は、残余財産の分配をしようとするときは、清算人の決定によって、次に掲げる事項を定めなければなりません。

 

(1)残余財産の種類

(2)株主に対する残余財産の割当てに関する事項

 

なお、株主の有する株式の数に応じて残余財産を割り当てることを内容とするものでなければなりません。

 

6.清算事務の終了等

 

清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければなりません。

清算人は、決算報告を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければなりません。

 

7.帳簿資料の保存

 

清算人は、清算株式会社の本店の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下、「帳簿資料」という。)を保存しなければなりません。

 

Ⅱ 税務、会計の取扱

 

平成22年度税制改正により、清算会社の課税所得計算が改正され、平成22年10月1日以降に解散された解散法人の税務は、通常の税務とほぼ同一の取り扱いがされることになりました。

ただし、解散・清算法人特有の取り扱いがあります。

 

1.解散事業年度の法人税等

 

(1)解散事業年度の青入り欠損金の繰り戻し還付の特例

すべての法人に、「その事業年度または解散等の日前1年以内に終了したいずれかの事業年度において生じた欠損金額について、解散等の日以後1年以内に繰り戻し還付の請求をすることができる」という特例があります。これは、法人税のみの規定です。

 

 

2.清算途中事業年度の法人税等

 

(1)通常の事業年度と異なり、特別償却の一部及び特別税額控除、圧縮記帳、準備金の一部、収容の特別控除などは適用されません。

 

(2)残余財産がないと見込まれる場合の期限切れ欠損金の損金算入をすることができます。

 

 

3.清算最終事業年度の法人税等

 

清算最終事業年度には、以下の特例があります。

 

(1)最終事業年度の事業税の損金算入

 

(2)引当金の繰り入れ不適用

 

(3)一括償却資産等の全額損金算入

 

(4)残余財産がないと見込まれる場合の期限切れ欠損金の損金算入

 

 

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