原価、営業量、利益を分析するためのCVP分析 | 社外財務部長 原 一浩
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原価、営業量、利益を分析するためのCVP分析

原価、営業量、利益を分析するためのCVP分析

CVP分析とは

CVP分析は、原価(Cost)、営業量(Volume)、利益(Profit)の3つの関係を分析する方法です。

変動費率や固定費の変化が利益に与える影響、目標利益達成に必要な売上高、価格の変化が損益分岐点や利益に与える影響などを分析することが出来ます。

 

また、中期経営計画や年度予算の策定にも用いることができます。

 

CVP分析の考え方

CVP分析では、「収益-費用=利益」を前提として、売上、費用、利益の関係を分析します。

前提として、製造量と販売量は一致する、費用は固定費と変動費に分解可能、費用線は直線、製品は1種類などの前提を置くことにより、分析が容易になります。

精密な分析というよりは、大まかな趨勢分析となります。

 

例えば、次の式が成り立ちます。

 

収益-費用=売上高-(変動費+固定費)=利益

変動費=売上高✕変動費率=価格✕1個あたり変動費

 

利益がゼロとなる営業量を、特に、損益分岐点といっています。

 

営業量(操業度)の考え方

変動費と固定費に分解するための営業量(操業度)は、売上高か販売量を用います。

 

 

売上高を営業量としたときのCVP分析

損益分岐点売上高とは、利益がゼロになる売上高で、損益分岐点の売上高を算出する計算式は以下のようになります。

 

売上高=固定費÷(1-変動費率)

 

限界利益とは、売上高に比例して増減する利益のことで、「1-変動費率」を「限界利益率」といいます。

 

固定費に、目標利益を加えて計算すると、目標利益を達成するために必要な売上高を算出できます。

 

固定費、変動費率を変えることにより、費用構造が変わった場合のシミュレーションを行うことが出来ます。

 

販売量を営業量としたときのCVP分析

販売量を営業量としたときの、損益分岐点の販売量は、以下の式で導くことが出来ます。

 

販売量=固定費÷(価格-1個あたり変動費)

 

価格から1個当たり変動費を引いたものを、「1個当たり限界利益」と呼んでいます。

 

損益分岐点の販売量は、固定費を1個当たりの限界利益で除して算出できます。

 

安全余裕度と安全余裕率

実際あるいは目標の売上高が損益分岐点売上高を超えている場合、その差額の売上高が減っても赤字にならないので、安全余裕度といっています。

これを比率にしたものが、安全余裕率です。

 

変動費と固定費

変動費とは、「操業度の変化に応じて比例的に増減する費用」です。

 

固定費は、「操業度が増減しても変化しない費用」です。

 

損益分岐点分析などの分析を行う場合、固定費の金額が与えられますが、固定費は、操業度が増減しても比例的に増減しないだけで、固定費の発生は管理することが可能です。

 

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