中小企業が直面する具体的なリスクとリスク管理の考え方 | 社外財務部長 原 一浩
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中小企業が直面する具体的なリスクとリスク管理の考え方

中小企業が直面する具体的なリスクとリスク管理の考え方

リスクとは何か

COSOでは、リスクを「目標の達成に影響を及ぼす1つ以上の潜在的事象」と定義しています。

 

「損失の起こる要因」「発生する要因」「拡大する要因」があれば損失を生じる可能性があり

突発的に発生して、その損失額が甚大となるものといえます。

 

※COSO(コソ)とは・・・
財務報告の品質改善を目的に米国で設立された「トレッドウェイ委員会組織委員会」のこと。

 

企業が直面するリスクとは

具体的に企業が直面するリスクとしては、5つに分類できます。

 

【1】財産損失リスク:地震・火災・盗難など

【2】収入減少リスク:売上・利益の減少

【3】賠償責任リスク:企業の賠償責任

【4】人的損失リスク:役員・従業員等の死亡・事故・疾病など

【5】営業戦略上のリスク:新製品開発・海外進出など

 

リスク管理の考え方

リスク管理とは、

 

「企業経営上発生するリスクを最小のコストで防止したり対処したりすることで
損失や被害を最小にするようにコントロールすること」

 

といえます。

 

つまり、、、

 

●リスクの発生をできるだけ抑制する

●リスクが発生した場合には、企業経営に影響が出ないような対策をする

 

ということになります。

 

リスク管理の進め方

リスク管理のPDCAサイクルは以下のようになります。

 

(1)リスクの認識・確認

(2)リスク分析

(3)リスク対応

(4)リスク対応の成果の評価

 

リスク認識の方法

リスクを認識する方法の主なものです。
単独で用いるのではなく、複数を組み合わせることが多いと思われます。

 

(1)フローチャート

(2)チェックリスト

(3)過去の経験・データ

(4)実地調査

(5)現場

(6)各種情報

 

リスク分析

認識された潜在的リスクを定量化します。

 

●損失の発生頻度

●発生した場合の損失額

 

この結果、リスクを4つに分類できます。

損失小 損失大
頻度高
頻度低

 

リスク対応

リスク分析の結果によって、以下のように対応します。

 

A:リスクコントロール

B:無視

C:リスクファイナンス

D:リスクコントロール+リスクファイナンス

 

リスクコントロール

リスクコントロールとは、認識・分析されたリスクを除去・軽減する対策を立てることです。

事故発生前の対策に重点を置きます。

 

リスクの除去とは、危険を伴う活動を停止・断念することです。

リスクの軽減とは、予防と低減になります。

 

リスクファイナンス

リスクファイナンスとは、リスクの保有と移転です。

 

リスクの保有とは、損失の発生に対して自己資金でその損失を補填することです。

 

引当金・準備金・内部留保などがあげられます。

リスクの移転とは、自社の損害を他者に補填してもらう方法です。保険・共済などがあげられます。

 

10リスクマネジメントの実行

リスクマネジメントを実行する際の、留意点をあげておきましょう。

 

(1)目的の明確化

(2)何時行うのか:随時と定期

(3)組織体制:全社的・統合的に取り組むことが必要

(4)優先度:安全性とコストのバランス

(5)実行者:リスクマネージャーを中心に全社で行う

(6)方法:トップマネジメントによるトップダウン

 

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